TradingView MCPは日本株AIに使える?スクリーニングから売買判定まで実機検証

AIツール

前回、TradingView MCPを使って日本株のデータ取得とスクリーニングを試しました。

個別銘柄については日足データを取得でき、Python側でテクニカル指標を計算するところまで確認できました。

一方、日本株のスクリーニングを試した際にはHTTP 429が発生。

その時点では、

「個別銘柄のデータ取得には使えるが、日本株のスクリーニングまで安定して使えるかは確認できない」

という結果でした。

そこで今回は、もう一段実用寄りの検証を行いました。

目的は単にTradingView MCPから株価データを取得することではありません。

現在開発している日本株AI自動売買ツールで実際に使っている分析ロジックを利用して、

TradingView MCPで候補銘柄を絞る
↓
必要な銘柄だけ日足データを取得する
↓
テクニカル指標を計算する
↓
BUY / HOLD / SELLを判定する

ところまで実際に試します。

さらに最後に、

TradingView MCPから取得したデータを、開発中のPaper Tradingで正式な株価データとして使えるのか

も確認しました。

結論から書くと、

スクリーニングや参考分析には使えそう。

一方で、

現在開発しているPaper Tradingの正式な株価データとして、そのまま採用するのはNO-GO

という結果になりました。

今回は、なぜこの結論になったのかを実際の検証結果と合わせてまとめます。

前回は日本株スクリーニングでHTTP 429

前回の記事では、TradingView MCPを使って日本株3銘柄を比較しました。

対象にしたのは、

  • 6857 アドバンテスト
  • 285A キオクシアHD
  • 8035 東京エレクトロン

です。

2026年8月24日から9月24日までの日足を各21本取得し、Python側で、

  • 5日騰落率
  • 20日騰落率
  • 5日移動平均線
  • 20日移動平均線
  • 期間高値・安値
  • 高値からの距離
  • 出来高倍率
  • RSI

などを計算しました。

個別銘柄の株価データ取得はできました。

しかし、日本株全体から銘柄を抽出するScreenerではHTTP 429が発生。

日を変えて試しても同じ状態だったため、前回の記事では、

「この環境ではScreenerを安定して利用できることをまだ確認できていない」

というところで検証を止めています。

前回の検証はこちらです。

→ TradingView MCPは日本株分析に使える?3銘柄比較とスクリーニングを実機検証

今回は、その続きです。

2026年9月27日、日本株Screenerが正常応答

2026年9月27日に改めてTradingView MCPの日本株Screenerを確認しました。

まずは接続確認として、日本株を出来高順に5銘柄取得。

今回はHTTP 429にならず、正常に結果が返ってきました。

取得された上位5銘柄は、

  • 8918
  • 9432
  • 4564
  • 9434
  • 9984

でした。

Screener側では、日本株全体として、

3,910銘柄

が対象になっていることも確認できました。

前回は429で確認できなかったため、少なくとも今回の実行では、日本株Screenerが正常に応答することを確認できました。

ただし、1回成功しただけで、

「今後も常に安定して使える」

とまでは判断していません。

前回429になった事実もあるため、安定性については今後も実際に使いながら確認する必要があります。

開発中のツールで監視している20銘柄から候補を絞りたい

ここからが今回の本題です。

現在開発している日本株AI自動売買ツールでは、20銘柄を監視対象にしています。

今回やりたいことは、

日本株3,910銘柄すべての日足データを取得すること

ではありません。

TradingView MCPで市場全体から候補を抽出し、その中から自分が監視している銘柄だけを絞り込み、必要な銘柄だけ詳しい株価データを取得することです。

この形にできれば、

市場全体をスクリーニング
↓
監視銘柄と照合
↓
候補だけ詳細分析

という流れを作れます。

必要のない銘柄まで大量の日足データを取得しないため、MCPの利用回数を抑えることにもつながります。

最初は監視20銘柄を直接指定しようとした

最初に考えたのは、Screenerへ監視20銘柄を直接渡す方法です。

TradingView MCPには、対象銘柄を指定するためのsymbolsetという項目があります。

そこで、

TSE:6146

TSE:6920

TSE:6857

など、監視対象の銘柄を指定してみました。

しかし結果は0件。

念のためTradingView MCPのシンボル検索でアドバンテストを確認すると、

TSE:6857

として正常に認識されています。

そこでアドバンテスト1銘柄だけでも試しましたが、こちらも0件でした。

今回確認した範囲では、symbolsetを使って任意の日本株を直接Screenerの対象にする方法は確認できませんでした。

ただし、これだけで、

「symbolsetでは日本株の個別銘柄を指定できない」

と断定することもできません。

正しい指定方法を確認できていない可能性もあるためです。

そこで、この方法を深追いするのではなく、別のやり方へ切り替えました。

日本株全体をスクリーニングしてから20銘柄と照合

採用した方法はシンプルです。

TradingView MCPで日本株を出来高順に取得
↓
自分のPC側で監視20銘柄と照合
↓
一致した銘柄から上位を選ぶ

という流れです。

まず、日本株の出来高上位200銘柄を取得しました。

その200銘柄と、開発中のツールで監視している20銘柄を照合します。

結果、

20銘柄中18銘柄

が出来高上位200銘柄の中に入っていました。

その中で出来高が多かった上位3銘柄は、

  1. 9984 ソフトバンクグループ
  2. 5803 フジクラ
  3. 285A キオクシアHD

でした。

今回は、この3銘柄を詳しく分析します。

上位3銘柄だけ250日分の日足を取得

次にTradingView MCPから、

  • 9984 ソフトバンクグループ
  • 5803 フジクラ
  • 285A キオクシアHD

の3銘柄について日足データを取得しました。

取得したのは、

各250本の日足

です。

3銘柄なので、

合計750本

のデータを取得しました。

期間は、

2025年9月12日~2026年9月25日

です。

今回の検証時点では9月25日の取引はすでに終了しているため、分析上は9月25日を最新の日足として使用しました。

ただし、TradingView MCPから「この日足は確定済み」と示す専用の情報が返ってきたわけではありません。

そのため、開発中のPaper Tradingで行っている正式な「完成日足」の判定とは分けて扱っています。

取得した750本のデータも確認

AIに分析させる前に、取得したデータそのものも確認しました。

今回の750本では、

  • 欠損値:0
  • 数値として扱えないデータ:0
  • 日付の重複:0
  • 始値・高値・安値・終値の明らかな矛盾:0

でした。

日付も古い順に並んでおり、最新日の分析に必要なテクニカル指標も計算できました。

一方、フジクラでは出来高が小数になっている日も確認されました。

この理由については、今回の検証だけでは特定できていません。

そのため、

「データを取得できた=正式な自動売買へそのまま使える」

とは判断せず、まずは参考分析用のデータとして扱います。

TradingViewの売買判定を使うのではなく、自作ツールで分析

今回のポイントの一つです。

TradingViewにはRSIやMACDなどのテクニカル指標があります。

しかし、今回はTradingView側で計算された指標や売買判定をそのまま使っていません。

TradingView MCPから取得したのは、始値・高値・安値・終値・出来高などの株価データです。

そのデータを、現在開発している日本株AI自動売買ツールへ渡し、

  • RSI
  • MACD
  • ボリンジャーバンド
  • 移動平均線
  • ADX
  • 出来高倍率

などを、これまで使ってきた分析方法で改めて計算しました。

さらに、BUY / HOLD / SELLの判定にも既存の売買ルールをそのまま使用しています。

つまり今回は、

TradingView MCPから取得したデータを、開発中の自作ツールで実際に分析・判定させた

という検証です。

TradingView MCPに合わせて売買条件を変更したわけではありません。

今回使ったBUY条件

開発中のツールでは、主に次の3条件からBUYを判定しています。

  1. RSIが35未満
  2. MACDがシグナルを上回っている
  3. 株価がボリンジャーバンド下限付近まで下落している

このうち、

2つ以上を満たした場合にBUY

と判定します。

BUY条件を満たさない場合はSELL条件を確認し、それにも該当しなければHOLDです。

また、各銘柄には分析結果をもとにscoreも付けています。

このscoreはBUYを決める条件ではなく、複数の候補銘柄を比較するための順位付けに使っています。

今回は、これまで開発してきたこのルールを変更せず、そのまま3銘柄へ適用しました。

9984 ソフトバンクグループの判定

評価日は2026年9月25日です。

主な数値は、

  • 終値:6,150円
  • RSI:66.29
  • MACD:206.40
  • MACDシグナル:184.45
  • ボリンジャーバンド下限:4,474.78円

でした。

BUY条件を見ると、

  • RSI条件:不成立
  • MACD条件:成立
  • ボリンジャーバンド条件:不成立

となり、3条件中1つだけ成立。

判定は、

HOLD

です。

scoreは、

85

でした。

今回の3銘柄では2位です。

5803 フジクラの判定

主な数値は、

  • 終値:4,986円
  • RSI:47.49
  • MACD:-73.96
  • MACDシグナル:-46.17
  • ボリンジャーバンド下限:4,661.65円

でした。

BUY条件は、

  • RSI条件:不成立
  • MACD条件:不成立
  • ボリンジャーバンド条件:不成立

となり、3条件とも成立しませんでした。

判定は、

HOLD

です。

scoreは、

35

で、3銘柄中3位でした。

285A キオクシアHDの判定

主な数値は、

  • 終値:55,780円
  • RSI:58.36
  • MACD:-259.18
  • MACDシグナル:-615.97
  • ボリンジャーバンド下限:46,458.30円

でした。

BUY条件は、

  • RSI条件:不成立
  • MACD条件:成立
  • ボリンジャーバンド条件:不成立

となり、3条件中1つ成立。

判定は、

HOLD

です。

scoreは、

95

で、今回の3銘柄では1位でした。

3銘柄ともHOLDになった

今回の結果をまとめると、次のようになりました。

銘柄RSI条件MACD条件BB条件判定score
9984 ソフトバンクグループ×○×HOLD85
5803 フジクラ×××HOLD35
285A キオクシアHD×○×HOLD95

結果は、

BUY:0
SELL:0
HOLD:3

でした。

検証記事としては1銘柄くらいBUYが出た方が分かりやすかったかもしれません。

しかし、判定結果に合わせて売買条件を変更してしまっては、これまで作ってきたロジックで検証する意味がなくなります。

今回の目的は、

「TradingView MCPから取得したデータを、既存の自作ツールへ渡して正常に分析・判定できるか」

を確認することです。

そのため、3銘柄ともHOLDだったこともそのまま結果として残します。

MCPの呼び出しは合計4回

今回の検証では、MCPの利用回数もできるだけ抑えました。

実際に必要だった主要な呼び出しは、

Screener:1回

日足データ取得:3回

です。

合計、

4回

で、

日本株のスクリーニング
↓
監視銘柄との照合
↓
3銘柄・750本の日足取得
↓
自作ツールによる売買判定

まで進められました。

最初から監視20銘柄すべてについて250本ずつ取得するのではなく、Screenerで候補を絞ってから必要な銘柄だけ取得することで、MCPの利用回数を抑えられます。

ただし、今回は出来高上位200銘柄までしか取得していません。

そのため、

監視20銘柄のうち出来高上位200位に入らなかった銘柄は候補から外れる

という制約があります。

では正式なPaper Tradingにも使えるのか?

ここまでの検証では、

TradingView MCPで候補を探し、自作ツールで売買判定まで行う

ところまで動きました。

では、このデータをそのまま開発中のPaper Tradingにも使えるのでしょうか。

ここで問題になったのが、

株価データの調整方法の違い

でした。

株式では、株式分割や配当などが発生すると、過去の株価をそのまま比較すると分析結果が不自然になる場合があります。

そのため、長期間のテクニカル分析やバックテストでは、こうした影響を考慮した「調整済み株価」が使われます。

現在開発しているツールでは、これまでのバックテストやPaper Tradingとの整合性を保つため、

株式分割だけでなく、配当の影響も考慮した調整済み株価

を分析に使う前提にしています。

一方、今回TradingView MCPから取得したデータは、

株式分割を調整したデータ(split-adjusted only)

でした。

つまり、

TradingView MCPと、現在の自作ツールでは、過去の株価を調整する条件が同じではありません。

株価データが違えば売買判定も変わる可能性がある

一見すると、多少株価データの調整方法が違っても大きな問題には見えないかもしれません。

しかし、自作ツールでは過去の株価から、

  • RSI
  • MACD
  • ボリンジャーバンド
  • 移動平均線
  • ADX
  • score

などを計算しています。

元になる価格系列が変われば、これらの指標も変化する可能性があります。

そして条件の境目にいる銘柄では、

BUY / HOLD / SELLの判定まで変わる可能性があります。

もちろん、すべての銘柄・すべての期間で必ず違う判定になるわけではありません。

同じ結果になるケースもあるはずです。

しかし、正式なPaper Tradingで重要なのは、

「今回たまたま同じ結果になったか」ではなく、これまで検証してきたものと同じ条件で継続的に判定できるか

です。

そのため、データの調整方法が違う状態で、そのまま正式な株価データへ置き換えることはしませんでした。

自作ツール側の条件をTradingViewに合わせることもしない

TradingView MCPを使うために、自作ツール側のデータ条件を変更する方法も考えられます。

しかし、今回はそれも採用しません。

これまでバックテストやPaper Tradingの準備では、同じ条件の株価データを使う前提で検証を続けてきました。

新しく追加したデータ取得方法に合わせて、その前提を変更すると、

過去のバックテストと現在の売買判定で、使っているデータ条件が変わってしまう

可能性があります。

TradingView MCPを無理に正式データへ採用するより、

使える部分だけを使う

方が安全だと判断しました。

今回の結論:候補探しと正式な株価データを分ける

今回の検証で、TradingView MCPをどこに使えそうかがかなり明確になりました。

使えそうな用途

  • 日本株のスクリーニング
  • 出来高などを使った候補抽出
  • 自分の監視銘柄との照合
  • 必要な銘柄だけの日足取得
  • 参考用のテクニカル分析
  • 自作ツールによる参考判定

現時点では使わない用途

  • Paper Tradingで正式に使用する株価データ
  • これまでのバックテストと完全に同じ条件を必要とする売買判定

つまり現時点では、

TradingView MCPは「候補を探す入口」として使い、自動売買ツールの正式な株価データとは分離する

という使い方が一番自然だと考えています。

まとめ:スクリーニングから売買判定までは成功。ただし正式データには採用しない

今回、TradingView MCPを使って、

日本株Screener
↓
出来高上位200銘柄を取得
↓
監視20銘柄と照合 → 18銘柄が一致
↓
上位3銘柄を選定
↓
各250本、合計750本の日足を取得
↓
自作ツールでテクニカル指標を計算
↓
BUY / HOLD / SELLを判定

まで実行できました。

主要なMCP呼び出しは、

Screener 1回+日足取得3回=合計4回

です。

今回の3銘柄はすべてHOLDとなりましたが、既存の売買条件を変更せず、TradingView MCPから取得したデータを自作ツールへ渡して判定まで進められることは確認できました。

一方、正式なPaper Trading用データとして確認すると、価格調整の条件に違いがありました。

TradingView MCP:株式分割を調整した価格系列

現在の自作ツール:株式分割だけでなく配当も考慮した調整済み価格系列

元の価格系列が違えば、RSIやMACDなどの指標、さらに売買判定まで変わる可能性があります。

そのため現時点の結論は、

スクリーニング・候補抽出・参考分析:使える

Paper Tradingの正式な株価データ:NO-GO

です。

TradingView MCPを無理に正式データへ組み込むのではなく、

「候補を探す入口」と「正式な売買判定に使うデータ」を分ける

という使い方が、現在の自作ツールには合っていると判断しました。

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