イオン(8267)は、株主優待でよく名前が挙がる銘柄の一つです。
前回の記事では、ChatGPTに「NISAで長期保有する初心者向けの株主優待銘柄」を条件を変えて2回選んでもらいました。
1回目と2回目では5銘柄中4銘柄が入れ替わりましたが、その中で唯一どちらにも選ばれたのがイオンでした。
イオンの株主優待の特徴は、オーナーズカードを使った買い物金額に応じて還元を受けられることです。
ただし、ここで気になるのが、
「実際のところ、年間いくらくらい得するのか?」
という点です。
イオンで年間10万円使う人と、年間80万円使う人では、同じ株主優待でも価値が大きく変わります。
そこで今回は、2026年9月18日時点の制度をもとに、
- 100株・200株・300株・1,500株で何が変わるのか
- 年間の買い物額によって還元額はいくら変わるのか
- 配当を含めるとどのくらいになるのか
- NISAで長期保有するときに何に注意したいのか
を数字で整理してみます。
イオンの株主優待「オーナーズカード」とは?
イオンでは、2月末または8月末の権利確定日に100株以上を保有している株主を対象に「オーナーズカード」が発行されます。
対象店舗で買い物をすると、保有株数に応じて半年間の買い物金額の一部が還元されます。
現在の還元率は次の通りです。
| 保有株数 | 還元率 |
|---|---|
| 100~199株 | 1% |
| 200~299株 | 2% |
| 300~1,499株 | 3% |
| 1,500~2,999株 | 4% |
| 3,000~8,999株 | 5% |
| 9,000株以上 | 7% |
還元対象となる買い物額には上限があり、本人カードと家族カードを合わせて半年間100万円までです。
つまり年間では、単純計算で最大200万円までが還元対象になります。
イオンだけでなく、マックスバリュ、ダイエー、まいばすけっとなど、対象となるイオングループの店舗が多いのも特徴です。
普段からこうした店舗を利用する人ほど、優待を活用しやすい仕組みになっています。
年間の利用額で株主優待はいくら変わる?
まず、最小単元の100株を保有した場合を考えてみます。
100株の還元率は1%です。
| 年間の対象買い物額 | 1%還元の場合 |
|---|---|
| 10万円 | 1,000円 |
| 30万円 | 3,000円 |
| 50万円 | 5,000円 |
| 80万円 | 8,000円 |
| 100万円 | 10,000円 |
| 150万円 | 15,000円 |
| 200万円 | 20,000円 |
同じ100株を保有していても、年間10万円しか利用しない人なら1,000円ですが、年間100万円利用する人なら10,000円になります。
つまりイオンの株主優待は、
「100株持っていれば○円もらえる」タイプではなく、「普段どれだけイオングループを利用するか」で価値が変わる優待
と考えた方が分かりやすいです。
100株・200株・300株ではどれくらい違う?
次に保有株数を変えてみます。
年間の対象買い物額を80万円と仮定すると、還元額は次のようになります。
| 保有株数 | 還元率 | 年80万円利用した場合 |
|---|---|---|
| 100株 | 1% | 8,000円 |
| 200株 | 2% | 16,000円 |
| 300株 | 3% | 24,000円 |
| 1,500株 | 4% | 32,000円 |
300株までは100株増えるごとに還元率が1%ずつ上がります。
一方で、3%から4%へ上げるためには、300株から一気に1,500株まで増やす必要があります。
ここはイオンの優待制度を見るうえで重要なポイントだと思います。
私が300株で止めている理由
私自身も現在イオン株を300株保有しています。
300株保有している理由の一つが、オーナーズカードの還元率が3%になることです。
一方、次の4%還元を受けるためには1,500株が必要になります。
つまり、
300株 → 1,500株
と、さらに1,200株を追加する必要があります。
優待の還元率を1%上げるためだけに必要な投資金額が一気に大きくなるため、現時点では300株で止めています。
また、普段のイオン系列での買い物をざっくり計算すると、
1回約5,000円 × 週3~4回程度
で利用しているため、年間では80万円前後になると考えています。
これは家計簿などから正確に集計した金額ではなく、普段の利用頻度から計算した概算です。
仮に年間80万円がすべて還元対象になった場合、300株・3%なら、
80万円 × 3% = 約24,000円
の還元になります。
日常的にイオン系列を利用する家庭では、優待の金額もそれなりに大きくなることが分かります。
配当も含めるとどうなる?
株を長期保有するなら、株主優待だけでなく配当も確認しておきたいところです。
イオンは2027年2月期について、1株あたり年間15円の配当を予定しています。
この予想をそのまま使うと、
| 保有株数 | 年間予想配当 |
|---|---|
| 100株 | 1,500円 |
| 200株 | 3,000円 |
| 300株 | 4,500円 |
| 1,500株 | 22,500円 |
となります。
※2027年2月期の会社予想。税引前。配当額は将来変更される可能性があります。
年間80万円をイオングループで利用すると仮定して、優待還元と予想配当を単純に合計すると次のようになります。
| 保有株数 | 優待還元 | 予想配当 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 100株 | 8,000円 | 1,500円 | 9,500円 |
| 200株 | 16,000円 | 3,000円 | 19,000円 |
| 300株 | 24,000円 | 4,500円 | 28,500円 |
| 1,500株 | 32,000円 | 22,500円 | 54,500円 |
ここで注意したいのは、1,500株の合計額が大きいからといって「1,500株が一番お得」という意味ではないことです。
保有するために必要な投資金額そのものが大きく違うからです。
300株から1,500株に増やす価値は?
2026年9月18日のイオン株の終値は1,313.5円でした。
単純計算すると必要投資額は、
- 100株:約13.1万円
- 200株:約26.3万円
- 300株:約39.4万円
- 1,500株:約197万円
です。
300株から1,500株に増やすには、約158万円分を追加で投資する計算になります。
年間80万円を利用するケースでは、還元率が3%から4%になることで増える優待額は、
24,000円 → 32,000円
なので年間8,000円です。
もちろん1,200株を追加すれば、その分の配当も増えます。
また、イオンには3年以上継続保有し、2月末時点で1,500株以上を保有する株主を対象とした長期保有株主優待制度もあります。
そのため単純に「追加158万円で8,000円しか増えない」と評価することもできません。
ただ、少なくとも株主優待の還元率だけを見るのであれば、
300株から1,500株では必要資金が大きく跳ね上がる
ことは確認しておきたいポイントです。

20日・30日の「お客さま感謝デー」もある
オーナーズカードにはキャッシュバック以外の特典もあります。
代表的なのが、毎月20日・30日の「お客さま感謝デー」です。
対象店舗・対象の支払方法などの条件を満たせば、買い物代金が5%割引になります。
オーナーズカードによる還元とは別の仕組みなので、普段からイオンを利用する人にとっては、こうした特典も無視できません。
ほかにもイオンシネマやイオンラウンジなど、買い物以外の株主向け特典があります。
そのため、イオンの株主優待の価値を考える場合は、キャッシュバックだけでなく、
「普段の生活圏でイオングループをどの程度利用するか」
を見ることが重要です。
優待がお得でも「株がお得」とは限らない
ここは株主優待を目的に投資するときに特に注意したいところです。
仮に年間2万円、3万円相当の優待や配当を受け取れたとしても、株価がそれ以上に下落すれば、保有資産全体ではマイナスになります。
2026年9月18日の終値1,313.5円を基準にすると、100株の購入には約13万円、300株なら約39万円が必要です。
株価が10%下落すれば、300株では単純計算で約3.9万円の評価損になります。
これは年間80万円利用時に想定した3%還元の約24,000円を上回ります。
そのため、
「優待が魅力的だから買う」だけではなく、企業そのものを長期保有できるか
も確認する必要があります。
イオンの業績はどうなっている?
2027年2月期について、イオンは次の業績を予想しています。
| 2026年2月期実績 | 2027年2月期予想 | |
|---|---|---|
| 営業収益 | 約10.72兆円 | 12兆円 |
| 営業利益 | 約2,705億円 | 3,400億円 |
| 経常利益 | 約2,430億円 | 2,900億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 約727億円 | 730億円 |
営業収益と営業利益については増加を見込んでいます。
一方で、株価は業績だけで決まるわけではありません。
2026年9月18日時点では、会社予想PERは約50倍、PBRは約3倍となっています。
優待が使いやすいことと、現在の株価が割安かどうかは別の話です。
NISAで長期保有する場合でも、優待だけを見るのではなく、業績や株価水準を合わせて確認しておきたいところです。
NISAで保有するときに考えたいこと
NISAでは売却益や配当などを非課税にできるメリットがありますが、株主優待そのものがNISAだから増えるわけではありません。
そのため、イオン株をNISAで長期保有するか考えるときは、
- 自分がイオングループを年間いくら利用するのか
- 何株保有すると還元率が何%になるのか
- そのために必要な投資金額はいくらか
- 配当はいくら期待できるのか
- 株価が下落するリスクを許容できるか
- 長期的にイオンの事業を保有したいと思えるか
を分けて考えるのが分かりやすいと思います。
特にイオンの優待は、普段イオンをほとんど利用しない人と、食品や日用品を日常的にイオン系列で購入する人とでは価値が大きく違います。
「人気の株主優待だから」という理由だけでなく、自分の生活との相性を数字にしてみることが重要です。
まとめ
イオンの株主優待は、保有株数だけでなく、イオングループで年間いくら買い物をするかによって価値が大きく変わります。
例えば年間80万円を利用する場合、
- 100株・1%なら約8,000円
- 200株・2%なら約16,000円
- 300株・3%なら約24,000円
- 1,500株・4%なら約32,000円
の還元になります。
一方、300株から1,500株に増やすと還元率は1%上がりますが、必要な投資金額も大きく増えます。
私自身も現在300株を保有していますが、こうした必要資金とのバランスも考えて、現時点では300株で止めています。
株主優待は魅力的ですが、優待額だけで投資判断をするものではありません。
「自分なら年間いくら使うのか」
「その場合の優待価値はいくらか」
「その優待を得るためにいくら投資するのか」
まで数字にすると、自分にとっての株主優待の価値がかなり分かりやすくなります。
前回の記事では、ChatGPTにNISAで長期保有する初心者向けの株主優待銘柄を条件を変えて選んでもらい、結果を比較しました。
イオンはその2回の質問で唯一どちらにも選ばれた銘柄です。
「ChatGPTに条件を変えて聞くと、選ばれる優待株はどう変わるのか?」については、前回の記事で詳しく検証しています。
※この記事は2026年9月18日時点の公開情報をもとに作成しています。株価・配当・株主優待制度は今後変更される可能性があります。実際に投資する際は、イオンの最新IR・株主優待情報をご確認ください。



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